人間は、どうしようもない窮地に陥った時に、
藁にも縋る思いで何かにすがりたくなるものです。
私の場合は、コンビニを辞めることはできたものの、
借金地獄になったことはお話させていただきました。
老いた両親や3人の子供と妻をかかえて、
家や土地を手放す決断に迫られました。
この頃には、ノイローゼに近い状態で、
正常な判断が出来なくなっていた。
自分の家族を守りたい一心でした。
以前は生命保険にも入っていましたが、
この頃には保険料すら払えなかったので、
既に解約していました。
おかげで死んでもお金にならない私は、
自殺という選択肢がなかった。
どうすればいいのだろう・・・
毎晩、布団に入るとそのことで頭がいっぱいで、
おちおち眠ることもできませんでした。
何とか家族でがんばろう!
と言っていた妻や両親からも、
直接非難はしませんが、どうするつもりか?
清掃員のアルバイトでも、日雇いでもすぐに
何かしらお金を稼ぐべきじゃないのか?
という感じの言葉で、日を追うごと遠回しに
圧力がかかりました。
言われてみればもっともな意見です。
自分で始めた商売なので、すべて自分の責任
というのはわかっていましたが、
だいぶ自暴自棄になっていました。
「何もかも全部オレ一人のせいにしやがって!」
と思ってヤケになっていたのも事実。
実際、ライフラインである水道、電気、ガス
などについても何度か止まりました。
中学校の給食費も払えない。
私自ら中学校へ出向き、事情を説明し、
暫くは猶予をいただいてきたりしました。
とにかくお金がないので、そんな有様でした。
ここまでくると、そりゃあいくら家族でも
不安になって責めるのは当然です。
食べるにも事欠くようになってくると、
もう恥なんて言ってられなくなりました。
まさか自分がこんな貧乏になるなんて、
思ってもみなかった。
健康保険料も滞納したままなので、
病気になることすら許されませんでした。
そこで、とにかく現状を何とかしたい一心で、
とても抵抗がありましたが恥を忍んで、
ある行動に出ました。
それは・・・
私が一番したくなかったこと
と言っても過言ではありません。
親戚、縁者を頼ってお金を借りに行きました。
金額については、当面をしのげるだけの
100万円をお願いしました。
そしてどうなったと思います?
頼みに行ったすべての親戚、縁者に、
断られました。
ほとんどは、「バンザイ」したらどうか?
つまり自己破産したほうがいいと言われました。
友人にも相談しましたが、
やっぱり同じように自己破産をすすめられた。
この時に思いました。
「なんて冷たいんだ」
そして頭に浮かんだ言葉が、
「この世には、神も仏もないものか…」
でした。
そして、こと“お金(借金)”に関しては、
「神も仏も無い」ということを悟りました。
親戚、縁者、知人、友人すべてから、
“自己破産するべき”
と言われた私でしたが、どうしても
自己破産したくなかった。
その時の気持ちは、自己破産すれば、
確かにある意味「楽になる」とは思った。
それでも、それって違うと感じてました。
まだ諦めるには早すぎる・・・
私のいいところでもあり、悪いところでも
あるのですが、とにかく
「諦めが悪いというか、しつこい」
その後も相談したほとんど全員から、
再三にわたって「自己破産」しなさい。
と言われ続けました。
そこまで言われると逆に開き直って、
「おまえら全員見返してやる」
という気持ちになったのを思い出します。
ただ、その時点では根拠や見込みがあった
というわけではなく、気持ちだけでした。
ついに何もかも万策尽きたともいえる状態。
でも、
「こんなことで負けたくない」
という気持ちだけで生きていました。
私のモットーは、
「何事も最後まであきらめない」
「何事も決めつけない」
「継続は力なり」
です。
その後、私はある行動に出たことがきっかけで、
この窮地から這い上がることとなります。
長くなりましたので、次回お話させていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。